【二宮】由緒ある二之宮『川勾神社』歴史を知ってありがたくお参りしよう

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川勾神社ってどんな場所?

川勾神社(かわわじんじゃ)とは、神奈川県中郡二宮町にある神社で二宮町の氏神です。氏神とは、その地域を守る神様のことです。川勾神社は相模国二之宮でもあります。川勾神社は平成元年に「かながわの建築物100選」にも選定されていて、社殿は江戸時代のものと推定されています。

神社には一般的に複数の神様が祀られていますが、その中でも主になる神様を主祭神と言います。川勾神社の場合、主祭神は級長津彦命(しなつひこのみこと)となり、風の神様で伊奘諾(いざなぎ)と伊奘冉(いざなみ)の子とされています。他含め以下の御祭神が祀られています。

  • 級長津彦命(しなつひこのみこと):相模国が相武国と磯長に分かれていた頃に、磯長の国を開拓された神様
  • 級長津姫命(しなつひめのみこと):相模国が相武国と磯長に分かれていた頃に、磯長の国を開拓された神様
  • 大名貴命(おおなむじのみこと):日本の国土を開拓された神様
  • 大物忌命(おおものいわみのみこと):殖産興業にご功績のあった神様
  • 衣通姫命(そとほりひめのみこと):安産守護の神様

川勾神社に行ってきました

二宮駅から徒歩25分ほど歩いたところに川勾神社はあります。あたりはとても静かで、相模国二之宮がこんなところにあるのかと思ってしまうかもしれないほどのどかな場所にあります。

伊藤博文が書いた川勾神社の扁額

当時、隣町の大磯には著名人が移り住んでいて、伊藤博文も大磯にいました。二之宮出身の伊達時は伊藤博文と交流があり、伊藤博文の家を訪ね、川勾神社の文字を揮毫してもらったそうです。

階段を登っていった先に川勾神社があります。登ってまず目に入ってくるのは茅葺きの随神門。両サイドに守り神である豊磐間戸命(とよいわまどのみこと)と櫛磐間戸命(くしいわまどのみこと)が祀られています。

御神木の夫婦杉

随神門をくぐり、先に進むと御神木があります。2011年にご神木の夫婦杉の1本が倒れてしまいましたが、残り1本はまだ現存しています。倒れた御神木は現在、売札所の材料として使われ生まれ変わっています。

正面に見えるのが社殿になります。江戸時代のものと推定され、「かながわ建築物100選」にも平成元年に選定されています。

二宮町の由来は相模国二之宮

二宮町の名前の由来は、相模国二之宮から来ています。

奈良時代、都から派遣された宮司(現在の県知事)は、その国(現在の都道府県)の氏神様をお参りし安全・平和を祈願していました。その際、格式の高い順にお参りを行い、一番目を一之宮、二番目を二之宮、三番目を三之宮としていました。相模の国ではそれが五ヶ所(相模五社)あり、

  • 一之宮「寒川神社(さむかわじんじゃ)」
  • 二之宮「川勾神社(かわわじんじゃ)」
  • 三之宮「比々多神社(ひびたじんじゃ)」
  • 四之宮「前鳥神社(さきとりじんじゃ)」
  • 五之宮格「平塚八幡宮(一国一社の八幡宮)」

となっています。

ちなみに、一之宮から順々に巡拝する作業を効率化するために各国の国府(国司が政務を執る施設が置かれた場所)近くに建てられたのが「総社」で、相模国は「六所神社」が総社となっています。ですので、六所神社へ行けば他の五箇所に行ったのと同じ効果があるとされています。

決して二宮尊徳(二宮金次郎)が由来ではありませんのでご注意ください。(二宮尊徳は小田原市栢山出身です)

相模国府祭では寒川神社と川勾神社の一之宮争いが儀式化されている

相模国府祭(さがみこうのまち)とは毎年5月5日に神奈川県中郡大磯町で行われている祭りで、前述した相模五社と総社の六所神社が神揃山(かみそりやま)と大矢場(おおやば)に集まり、繁栄を祈願する祭りです。1000年以上続く歴史ある屈指のお祭りとして、神奈川県の無形民俗文化財にも指定されています。

当時はどの国でも「国府祭」が行われていましたが、源頼朝により国司制度が廃止され、祭りも廃れていきました。しかし、幕府のあった鎌倉周辺の相模国(現在の神奈川県)、武蔵国(現在の埼玉県)、安房国(現在の千葉県)においては、国府祭の影響が幕府に必要だと考えて存続が認められ、それが現在まで続いています。

相模国府祭で行われている「座問答」という神事は、その昔、寒川神社と川勾神社のどちらを一之宮にするかで論争が起きた際、他の三社が仲裁に入り解決するまでの様子を表した儀式です。

寒川神社は神奈川県では二番目に参拝客の多い神社ですし、寒川神社と川勾神社が争ったなんて今では想像できませんね…。実はこれには裏があって、相模国は師長国(しながこく)と相武国(さがむこく)が合併して出来た国ですが、もともと川勾神社は師長国の一之宮だったのです。

川勾神社のお祭りの例大祭「みそぎ祭」は毎年10月第2日曜日

川勾神社では毎年10月の第2日曜日に例大祭が行われています。二宮町の氏神様ということもあり二宮町をあげたお祭りが行われます。川勾神社の神輿が二宮町を周り、海で浜降り祭を行います。

祭り名川勾神社例大祭「みそぎ祭」
開催日2022年10月9日(日)
開催場所川匂神社
神奈川県中郡二宮町山西2122
アクセスJR東海道線二宮駅北口より「押切坂上」バス停下車、徒歩約15分
問い合わせ川勾神社(9:00-16:00)
0463-71-0709
西湘コネクト - 平塚・大磯・二宮...
【二宮】2022年『川勾神社例大祭みそぎ祭』は10月9日(日)開催決定! - 西湘コネクト 2022年度は神賑行事・神輿渡御は取りやめとなり、神輿はトラックに載せて町内巡行となります。 川勾神社例大祭み
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